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野辺山電波ヘリオグラフの稼働率

○関口英昭、川島 進、篠原徳之 (国立天文台)

国立天文台野辺山太陽電波観測所の電波ヘリオグラフは84台の素子アンテナからなる電波干渉計である。84系統のアンテナと受信機等を維持し1992年6月末のルーチン運用開始以来2003年6月まで10年余にわたり29,966時間観測を行い、7,046個のイベントを検出した。1日あたりの観測時間は南中を挟む前後約4時間が設定ルーチン観測時間であるがこの間の平均稼働率は98.5%に相当する。観測停止の原因となった事柄につき、1)アンテナ制御 2)フロントエンド&中間周波 3)バックエンド 4)データ収録 5)制御系 6)雪や雷等の天災の原因別に統計を取った。この結果1)アンテナ制御の通信関連と4)データ収録でのデータ取り込み部分とその後の実時間での画像処理のトラブルが多いことがわかった。建設当初から約10名で観測・運用に携わってきたが減員が続き現在は4名である。データの質の維持向上にも人手を要することからハード面でのトラブルは極力なくす努力を続けている。トラブルの箇所については耐用年数を経過したサージアブソーバやCPU基板上に故障の原因となるPLDがあるアンテナコントロールボードを3年かかりで交換したこと、データフローマシン+UNIXを汎用PIOボード+LINUXに交換したこと等で殆どトラブルがなくなってきている。今後は観測開始以来使い続けているアンテナ制御、位相制御等に使用しているPCの老朽化に伴う装置代替でLINUXマシンに置き換え安定性をはかる予定である。