V13b

野辺山偏波計共通バックエンド受信機の製作

○篠原 徳之、川島 進、関口 英昭、齋藤 泰文(国立天文台)

野辺山観測所の太陽電波観測用偏波計は太陽全面を常時監視し太陽からの電波強度及び偏波(左右円偏波)を測定し太陽活動の様子を調べる電波望遠鏡である。この偏波計は7周波(1GHz,2GHz,3.75GHz,9.4GHz,17GHz,35GHz,80GHz)で観測されており太陽面爆発時の高温・高エネルギーの電子から出る電波をスペクトル受信し爆発現象のメカニズムの解明等に役立てられている。毎日観測されたデータは全世界に配信され各国の太陽研究者からも信頼され太陽研究に広く使用されている。

現在使用中のバックエンド受信機の中には既に30年近く使用さているものもあり老朽化等問題を多く抱えているためバックエンド受信機を一新し、最近の技術で、より性能の良いものを製作した。同時にバックエンド部の基本設計を統一することにより故障等の対応にも保守品を1セット持つことで迅速に対処ができる。

一昨年(2001年度)既に2周波(1GHz,2GHz)について製作を行い、現実に性能面でかなりのアップが図られた。故障についてはまだ起っていないので故障対応についてはまだ経験がないが、統一化された受信機のため調整等は非常にスムーズに行えた。本報告では新たに3周波(3.75GHz,9.4GHz,17GHz)について製作をしたので、性能面また、メンテナンス面について主に報告を行う。