B25b

下降流(Downflow)の観測と磁気リコネクション

○浅井 歩、下条 圭美(国立天文台)、高崎 宏之、柴田 一成(京大理)、横山 央明(東大地惑)

フレアに伴う現象の一つである、ポストフレアループ上空の下降流(Downflow)は、磁気リコネクションを支持する新しい観測事実として注目されている。これは、磁気リコネクションにおける下向き(太陽向き)のリコネクションアウトフローと密接な関係があると考えられているためである。

これまでに我々は、下降流がフレアのインパルシブ相において、硬X線\cdot電波といった非熱的放射のバーストに伴って現れることを報告した(2003年春季年会 M29a)。これら非熱的放射のバーストは、強いエネルギー解放に伴って起こることから、下降流と磁気リコネクションとの強い結び付きを定性的な面から示した。

一方で、ようこうやTRACE、SOHOといった太陽観測衛星により、見掛け上の速度や温度\cdot 密度といった下降流の物理的特性にある程度の制限が付けられてきた(McKenzie 2000、Innes et al. 2003など)が、いずれも決定的な観測結果を得ることが出来ておらず、Solar-B衛星による、高空間分解能での温度\cdot密度の診断が必要である。

本年会では、これら下降流の特徴ならびに磁気リコネクションにおける役割りについてまとめ、またSolar-B衛星による下降流観測の観測提案を行う。