M14b

野辺山ヘリオグラフ画像を用いたシグモイド質量の解析

○並木 優子(総合研究大学院大学)、柴崎 清登(国立天文台)、下条 圭美(国立天文台)、浅井 歩(国立天文台)

シグモイドは主に軟X線でdisk上に観測されるS字型のコロナ構造であり、CMEの前兆現象とされている(e.g., Canfield, Hudson, and Pevtsov,2000)。しかしシグモイド構造とCME構造との対応関係等、解明されていない点は多い。シグモイドは磁気ヘリシティの観点からの研究が多いが、ここではシグモイドが持つ質量に注目する。CMEのもつ質量はSOHO/LASCO等のコロナグラフによって測定できるが、これとシグモイドの質量との比較を行いたいと考えており、その第1段階としてシグモイドの質量の測定を試みる。

今回の解析では質量を求めるために野辺山電波ヘリオグラフ画像とYohkoh 軟X線画像を用いる。17GHzと34GHzの電波画像を比較することにより光学的厚さを推定することができ、光学的に薄い場合には質量を求めることができる。さらに軟X線から求めた質量と比較することにより、低温成分の寄与を推定することができる。

 今回解析したシグモイドはYohkoh SXT画像と野辺山電波ヘリオグラフ画像の両方でS字の形状がはっきり確認できるものである。