ASPデータの解析(画像データ編)       rev.0.1  Katsukawa (2004/12/18)

(0)ASP画像データファイル
inversionの結果得られる物理量の2次元マップが入ったファイル
   a__***** (アンダーバー2つ) -> 全データ点に値が入っている
   a_****   (アンダーバー1つ) -> 偏光光度が大きくinversionがなされた点のみ

詳しくはa_READMEを参照

主に使うのは
  a__cct:    連続光
  a__pip:    偏光度
  a__utime:  観測時間
  a_fld:     磁場強度
  a_1azm:    磁場方位角 (太陽面局所座標)
  a_1incl:   磁場傾斜角 (太陽面局所座標)
  a_azm:     磁場方位角 (望遠鏡座標)
  a_psi:     磁場傾斜角 (望遠鏡座標)
  a_cen1:    吸収線中心(1st line)の位置 (pixel単位)
  a_alpha:   散乱光の割合 (= 1 - fill. factor)


(1) Azimuth ambiguityを解く
AZAMというIDLプログラムを使用する
inversionの結果出力されたディレクトリが"op03"のとき
IDL> azam, 'op03'

-> 座標系、拡大率を選択するwindowが現れる。"instrument 2x"を左クリック
-> azimuth, inclination, continuumなどのwindowが現れる。
-> "azam: interactive buttons"というwindowの"menu"を左クリック
-> メニューが現れる, "UH potential field"を左クリック
-> "potential azimuth"を左クリック、potential fieldに近い方を選んでくれる
-> azimuthの不連続点が多く残っているとき、"menu"->"smooth"を試してみる
-> "smooth"を何度か試してもazimuth不連続が消えない時、azimuthの絵の
   上で、右クリックしながらドラックして、不連続な線を消すようにしてみる
-> OKなら"menu" -> "EXIT AZAM"
   a_*ファイルを更新するか聞いてくるので、"yes"を選択

AZAMには他にも色々な機能があるので、試してみるとよい


(2) ファイルの読み込み
○a_image()でファイルを一つずつ読む
例えばa_fldを読むとき、
IDL> file = 'op03/a_fld'
IDL> data = a_image(file)

a_image.pro: computing 'instrument' reference frame structure,
file: op03/a_fld

IDL> help,data
DATA            FLOAT     = Array[150, 229]

a_imageで使われる3つの座標系 (ref_frameキーワードで指定)
  (a) instrument (default, 観測したままの出力)
  (b) disk       (disk centerに垂直な方向から見た座標)
  (c) zenith     (局所座標真上から見た座標)
(b), (c)では座標変換をして歪んだ2次元マップを作成する
この座標変換はあまり正しくないので、(a)instrument frameを使うことを
勧める

○b_image()でファイルを一つずつ読む
b_image()は"instrument"座標専用、"instrument"座標しか使わないなら
こっちを使った方がよい
IDL> file = 'op03/a_fld'
IDL> data = b_image(file)
IDL> help,data
DATA            FLOAT     = Array[150, 229]

○まとめて読む
よく用いる量のみをまとめて読み出すとき、
IDL> asp_readaf, 'op03', data, time, mask=mask, center=center
IDL> help, data, time, mask, center
DATA            FLOAT     = Array[150, 229, 11]
TIME            STRING    = '12-Mar-2003 15:08:27'
MASK            BYTE      = Array[150, 229]
CENTER          FLOAT     = Array[2]

中身は
  data[*,*,0]: 磁場方位角 (太陽面局所座標, deg)
  data[*,*,1]: 磁場傾斜角 (太陽面局所座標, deg)
  data[*,*,2]: 磁場強度 (gauss)
  data[*,*,3]: filling factor (1-α)
  data[*,*,4]: LOS magnetic flux (gauss)
  data[*,*,5]: continuum
  data[*,*,6]: ドップラー速度 (km/s)
  data[*,*,7]: Jz (mA/m^2)
  data[*,*,8]: 偏光度 (%)
  time:        スキャンの中間時刻
  mask:        inversionがされた点を示すマスク
  center:      disk centerに対するマップの中心座標 (arcsec)


(3) MAPへの変換
IDL> dir = 'op03'
IDL> asp2map, dir, map_asp
IDL> help, map_asp
MAP_ASP         STRUCT    = -> <Anonymous> Array[13]

基本的には、asp_readafで読んだデータをmap structureに変換している。
ただし、位置情報はあまり正確ではない場合もあるので、注意が必要