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ヘッダー規格

(1) 必須部分


$\bullet$ 全てのFITSファイルにおいて必須なキーワード

FITSの規格上必須、かつ書式が固定されている。

SIMPLE :FITS規格のファイルかどうかを示す。Tのとき真
BITPIX :データのビット数及び型
NAXIS :データの次元数
NAXIS1 :x軸の画素数
NAXIS2 :y軸の画素数


$\bullet$ データ作成における基本情報 (全てのヘリオグラフ関連FITSファイルにおいて必須)

電波ヘリオグラフ関連のファイルは、CLEAN画像ばかりではなく様々なファ イルがあるが、ここで記述する基本情報は、全てのファイルに共通な、必須と すべき情報である。

$\circ$ データの時刻に関する情報

STARTFRM :使用したフレームの最初
ENDFRM :使用したフレームの最後
JST-STRT :STARTFRMの積分開始時刻(JST)
JST-END :ENDFRMの積分終了時刻(JST)
JST-TIME :JST-STRTとJST-ENDの中央、すなわち観測の中央時刻(JST)
JST-DATE :観測の開始時刻における日付(JST)。 日付の書式はyyyy-mm-ddとする
STRT-OBS :UTで表した観測の開始時刻
END-OBS :UTで表した観測の終了時刻
TIME-OBS :UTで表した観測の中央時刻
DATE-OBS :観測の開始時刻における日付(UT)。日付の書式はyyyy-mm-ddとする

$\circ$ データ種別に関する情報

OBJECT sunで固定
TELESCOP radioheliographで固定
ORIGIN nobeyama radio obsで固定
POLARIZ rcplcpr+lr-ll-rr|l(r-l)/(r+l)unknownから選択
ATT-10DB 00dB10dBから選択
OBS-MODE fixaltから選択
OBS-FREQ 17GHz34GHzから選択
FRM-STAT 1-sec obseventcalibから選択
DATA-TYP :データの種類。cleaned_mapなど。特に書式を固定しない

$\circ$ FITSヘッダーのバージョン情報

電波ヘリオグラフ用に規定しているFITSヘッダーのバージョン番号を書く。本 文書で規定しているのは電波ヘリオグラフデータ用ver 2.0である。

HDRIDENT :FITSヘッダーのバージョン


(2) 暦のデータに関する情報

暦のデータはheliographic座標の計算やビーム形状の計算に使用するので、 画像のファイルでは必須である。時刻だけで決まるものの他に、野 辺山ローカルなパラメーターもあるので、必ず記述する。内容は以下の通り。

SOLR :太陽の視半径
SOLP :太陽の北極方向角
SOLB :太陽面中央緯度
DEC :太陽の野辺山における赤緯
HOURA :太陽の野辺山における時角
AZIMUTH :太陽の野辺山における方位角
ALTITUDE :太陽の野辺山における高度
ZANGLE :太陽の天頂方向角
PMAT1/2/3/4 :赤道座標−地平座標の変換行列


(3) 像の座標に関する情報

CLEANして投影効果を補正した画像については、他の波長の画像との位置合わ せを行うため、必須である。FITS規格に書式が定められているので、これに 則った記述をする。


CTYPE1 / CTYPE2:
座標軸を記述する。通常x軸を太陽の西方向、y軸を北方向に 取るので、それぞれsolar-westsolar-northで固定とする。

CDELT1 / CDELT2: 1ピクセルの大きさ。

CRVAL1/CRVAL2/CRPIX1/CRPIX2:
CRPIX1/CRPIX2で表されるピクセルの中心の、 CTYPE1/CTYPE2の座標系での位置をCRVAL1/CRVAL2で表す。 CRVAL1/CRVAL2を 0.00/0.00(太陽面中心)で固定し、画像中の太陽面中心の位置を CRPIX1/CRPIX2でピクセル単位で表すのを標準とする。 部分像の場合など、 CRPIX1/CRPIX2の値は画像の実際のサイズをはみだしても構わない。


FITS規格においては、ピクセルの中心を位置の基準にしているので、ピクセル の境界や左下を基準にしている座標系との位置合わせには特に注意を要する。 ちなみに、画像中心の太陽面中心からの距離とFITSキーワードとの関係 は以下のようになる。
x-offset = (NAXIS1/2+0.5-CRPIX1)*CDELT1+CRVAL1
y-offset = (NAXIS2/2+0.5-CRPIX2)*CDELT2+CRVAL2


(4) 各プログラムに固有のパラメータ

像合成に関するパラメータなど、各プログラムにおける固有のパラメータを必 要に応じて記述する。特に書式を限定しないが、共通に使えるキーワードにつ いては統一性を持たせる必要がある。例えば、CLEAN画像ファイルの場合には、
・どのプログラムを使用したか
・キャリブレーションのパラメーター (キャリブレーションに使用したフレーム番号など)
・CLEANなど像処理に使用したパラメーター
という、同じ像合成を再現するのに必要なパラメーターを記述すると同時に、
・ディスクのフィッティングやCLEANソースの 選択が正しくできているかどうか
を示す値を記述する。最低限のパラメータとしては以下のようなものがあり、 これらのキーワードを使用することが推奨される。

PROGNAME :データ処理のプログラムを記述する。特に書式を固定しない。
NFRCAL :キャリブレーションに使ったフレーム数
CRITER :CLEANのしきい値
SOLR-FAC :光学太陽半径から電波の太陽半径を求めるための係数
MBEAMC :アンテナ主ビーム形状を考慮した感度補正
NCOMPO :CLEANコンポーネント数
DDOFF1 :ダーティマップ上の太陽面の中心のx軸方向のオフセット
DDOFF2 :ダーティマップ上の太陽面の中心のy軸方向のオフセット
DSKBR :ダーティマップ上での太陽面の明るさ
BUNIT :画像の値の単位を示す。通常絶対温度(K)。

多段階のキャリブレーションや多段階のCLEANなどでより細かくパラメータを 設定する必要がある場合は、もちろん上記のキーワードに拘束される必要はな い。

(5) その他

これ以外にも必要な情報は、各プログラム内で独自のキーワードを使用して記 述することを許容する。


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