フレアの磁気流体シミュレーション---重力下での大気の効果

○横山 央明(国立天文台)、柴田 一成(京都大理)

太陽フレアの立ち上りから減衰にいたる過程では、リコネクションによる磁気エネルギー解放・非線型非等方熱伝導によるエネルギー拡散・彩層蒸発現象による彩層からコロナへの高密プラズマの逆流・放射によるフレアプラズマの冷却という道筋をたどる。これに対しわれわれは、2次元電磁流体数値シミュレーションの手法を用いてこの問題に取り組んでいる。前回年会(2001年春季年会)までに、熱伝導・放射冷却まで導入したが、今回は重力をいれて成層大気の効果をいれた。彩層から遷移層にいたる部分で特にこの効果が重要で、彩層蒸発現象を定量的に扱う上で必要なものである。この効果をいれたことで、太陽フレアの開始以後の熱的物理過程はほぼすべて導入されたことになる。本講演では、重力なしの場合との比較、1次元流体シミュレーションとの比較、観測(密度・温度ダイアグラム)との比較などを報告する。