観測周波数 | 17GHz(左右両円偏波)34GHz(強度のみ) |
観測視野 | 太陽全面 |
空間分解能 | 10秒角(17GHz)5秒角(34GHz) |
時間分解能 | 0.1秒(活動時)1秒(静穏時) |
野辺山電波ヘリオグラフは干渉計なので、取得したばかりの生データは アンテナ組みごとの相関値のあつまりです。これは太陽の明るさの空間分布を Fourier分解したものにあたります。したがって解析するにはこのデータから 画像を合成する必要があります。しかし実際は、 科学的成果を効率よくあげるために画像・データベースなどを 自動的に毎日作成しウェブにて公開しています。また画像合成や解析用の ソフトウェアも同時に公開して研究を支援しています。 またウェブで公開している画像などは学校・大学・社会人教育機関での 教育にも使って頂ければさいわいです。
太陽は我々の生活のエネルギー源であり、一方、天文学にとって はその表面の活動が詳細に観測できる唯一の恒星です。活動時間は1 秒以下のものから10年以上にわたるものまでさまざまです。電波 ヘリオグラフは太陽表面の電波の明るさを写真として捉えること ができます。連続して高速に撮影することができるので、ビデオ装 置といった方が適切かもしれません。光やX線による観測と協力し て、太陽の表面で発生するさまざまな現象の観測を行っています。 太陽活動は11年の周期で大きく変動し、西暦2000年にその極大 に達します。黒点の数が増え、その周りで発生する爆発現象(太陽 フレア)の頻度も極大になります。爆発の際にエネルギーの高い粒 子が作られ、それが黒点磁場に巻き付いて非常に強い電波を発生し ます。この電波を捉えて、高エネルギー粒子の発生機構をつきとめ ることを目的に電波ヘリオグラフは建設されました。 建設されてから初めて、太陽は極大期を迎えつつあります。 太陽の高エネルギー粒子を観測する衛星「HESSI」 が2000年に米国で打ち上げられ、さらに既に8年以上太陽の観測 を行っている宇宙科学研究所の「ようこう」衛星とともに、太陽フ レアの謎解きができるものと期待しています。
参考文献
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