野辺山強度偏波計
強度偏波計(通称:偏波計)は、いろいろな周波数
で太陽全面から出てくる電波の強さと偏波(電波の振動方向)とを正確に測り、
太陽の活動の様子を調べています。
太陽活動が活発な時期(最近では2000年前後)には、激しい
爆発現象(太陽フレア)が、頻繁に起こります。
そのときに発生する高温・高エネルギーの電子から出る電波を
多数の周波数で計測することで、もとの爆発のメカニズムを
解明するのがこの装置の目的のひとつです。
17GHzは1978年、35GHzは1983年、80GHzは1984年
から定常観測をおこなっています。
1、2、3.75、9.4 GHzはもともと名古屋大学空電研(豊川)で
稼働していたものを1994年4月に野辺山へ移設・統合したものです。
(豊川での観測は、3.75GHzは1952年から、9.4GHzは1956年から、
1GHz・2GHzは1957年からです。また17GHz観測は、1964年以来三鷹で
おこなわれていました。)
デジタルデータは 1、2、3.75、9.4 GHzについては1987年11月から
17、35、80 GHzについては1990年3月から現存しています。
観測周波数 |
1、2、 3.75、 9.4、 17、 35、 80 GHzの7周波数 |
観測視野 |
太陽全面 |
空間分解能 |
なし(太陽全面からの電波を計測) |
時間分解能 |
0.1秒 |
旧豊川強度偏波計との統合前の野辺山強度偏波計
参考文献
Nakajima et al. "The Radiometer and Polarimeters at 80, 35, and 17 GHz
for Solar Observations at Nobeyama", PASJ, 37, 163 (1985)
渋谷・中島「太陽観測用17GHz偏波計」東京天文台報, 19, 114 (1980)
沢ほか「太陽バースト観測用35GHz偏波計」東京天文台報, 20, 342 (1984)
関口ほか「太陽バースト観測用80GHz偏波計」東京天文台報, 19, 327 (1984)
Torii et al. "Full-Automatic Radiopolarimeters for Solar Patrol at
Microwave Frequencies", Proc. of the Res. Inst. of Atmospherics,
Nagoya Univ., 26, 129 (1979)
Shibasaki et al. "Solar Radio Data Acquisition and Communication System
(SORDACS) of Toyokawa Observatory",
Proc. of the Res. Inst. of Atmospherics,
Nagoya Univ., 26, 117 (1979)
Tsuchiya and Nagase "Atmospheric Absorption in Microwave Solar
Observation and Solar Flux Measurement at 17 Gc/s", PASJ, 17, 86 (1965)
Last Modified at
service@solar.nro.nao.ac.jp