太陽に関する基本的な質問


太陽って何?

わたしたちの太陽はありふれた恒星のひとつなのです。つまり夜空に輝く たくさんの星たちの仲間です。

太陽は何でできているの?

太陽は、高温のガスでできています。材質は、ほとんどが水素で 他にヘリウム・酸素・炭素・鉄などからできています。 実は、われわれのからだをつくっている元素の多く(炭素・酸素・窒素など)は 星の内部でできたものなのです。つまり私たち自身、昔は星の一部だったのです。

太陽の大きさは?

太陽は実は巨大なのです。その直径(約140万km)は地球の約109倍もあります。 小さく見えるのは非常に遠くにあるからなのです。ジェット機(約1000km毎時) で続けて飛んだとしても端から端まで約2ヶ月かかります (本当は途中で燃料が空になりますが、、、)。

太陽はどのくらい遠いの?

太陽までの距離は約1.5億kmです。自動車で飛ばして(100km毎時)いったとしても 170年ぐらいかかります。この世でもっとも速い光の速度でも8分かかります。

太陽の重さは?

太陽の質量はおよそ2かける10の30乗kgです。2の後ろにゼロが30個つく数字です。

太陽はいま何歳?

太陽の年齢はおよそ45億歳だと思われています。それ以前は、宇宙にただよう ガス(暗黒星雲)だったのが、重力(万有引力)で集まってできたのです。 このあとおよそ50億年の寿命があって、その後、赤色巨星になり最後には 白色矮星になって寿命を全うする予定です。

太陽の温度はどれくらい?

太陽はめちゃめちゃ熱いです。中心は1500万度もあります。 表面(光球)でも6000度ですがさらにその外側のコロナでは 200万度以上です。またフレアという爆発がおこるとさらに 何億度にもなることがあります。

どうして太陽を研究するの?

天文学的には太陽は、恒星の最もありふれた典型例なのです。 つまり宇宙を構成する要素の基本単位である恒星を研究する かっこうの例なのです。 太陽は、高エネルギー物理学の「実験室」ともみなされています。 非常に高温な状態や、爆発(フレア)による突発的な高エネルギー現象は 地球上でつくりだすのが困難だったり不可能だったりします。 そこで太陽で起こる現象を観察することで実験のかわりにするのです。 地球環境との影響も重要な研究課題です。 気象は太陽からの放射の影響で変動しますし、 太陽からやってくる太陽風によって地球の磁気環境が変動して 通信電波が影響をうけたりします。 宇宙空間で作業する宇宙飛行士たちは、太陽からのX線・紫外線・ 粒子などによってもっと直接の影響をうけます。

太陽の基本的な数値まとめ

     年齢                             約45億年以上
     距離
          地球からの平均距離          1.5 X 10^8 km
          年間を通じての距離変動      +/- 1.5 %
     直径                             1.39 X 10^6 km
                                      地球の109倍
     体積                             1.41 X 10^33 cm^3
                                      地球の130万倍
     質量                             1.99 X 10^30 kg
                                      地球の33.3万倍
     磁場の強度
        (典型的な値)
          黒点                        3000 G
          北極・南極                  1 G
          活動領域                    200 G
          プロミネンス                10 to 100 G
          地球                        北極・南極で0.7 G 
     化学組成(光球  重量比)
          水素                    73.46 %
          ヘリウム                24.85 %
          酸素                     0.77 %
          炭素                     0.29 %
          鉄                       0.16 %
          ネオン                   0.12 %
          窒素                     0.09 %
          ケイ素                   0.07 %
               マグネシウム             0.05 %
          硫黄                     0.10 %
     密度 

          平均                        1.41 g/cm^3
          中心部                      160 g/cm^3
          表面(光球)                10^{-9} g/cm^3
          彩層                        10^{-12} g/cm^3
          コロナ基部                  10^{-16} g/cm^3
          地球海面                    10^{-3} g/cm^3
     光放射
          全放射量                    3.83 X 10^23 kW
          太陽表面単位あたり          6.29 X 10^4 kW/m^2
          地球表面で受ける放射        0.136 W/cm^2
     太陽表面での輝度
          満月に比べて                398,000 倍
     温度
          中心                        15,000,000 K
          表面                        5800 K
          黒点暗部                    4240 K
          彩層                        4300 から 50,000 K
          コロナ                      800,000 から 3,000,000 K
     回転周期
          太陽の赤道付近              26.8 日
          太陽の緯度30度で            28.2 日
          太陽の緯度60度で            30.8 日
          太陽の緯度75度で            31.8 日


もっと知りたいときはどんな本を読めばいいの?

桜井 邦朋 「太陽大気とその外延」 東京大学出版会
平山 淳 編「現代天文学講座5 太陽」 恒星社
E. Gibson (桜井 邦朋 訳)「現代の太陽像 ---太陽物理学序説」講談社
kenneth R. Lang (渡辺 尭・桜井 邦朋 訳) 「太陽 ---その素顔と地球環境との関わり」シュプリンガー・フェアラーク東京

Last updated on May 1 JST 1999