国立天文台の太陽電波観測のあゆみ
(旧東京大学東京天文台・旧名古屋大学空電研太陽電波部門ふくむ)
以下、
1988年3月まで「三鷹」・「野辺山」は旧東京大学東京天文台、「豊川」は旧名古屋大学空電研。
1988年4月以後は国立天文台。
- 1931年
- 1942年
- イギリス海軍レーダ部隊(J. S. Heyら)が、波長4m(75MHz)と6m(50MHz)とで、太陽電波を発見。
- 1949年
- 1950年ごろ
- 日本で最初の太陽マイクロ波受信実験。(小田稔・高倉達雄ら:参考文献 天文月報2001年7月号P.313)
- 電波による日食観測。(霜田光一)
- 1950年
- 三鷹で 100MHz・60MHz強度変動観測開始。どちらも2連八木アンテナ。
- 帯広・三鷹で日食観測。 100MHz八木アンテナをもちいて。
- 豊川で 2.5mアンテナを用いて 3.75GHz強度観測開始。(田中春夫)
- 1952年
- 三鷹で 2mアンテナを用いて 3GHz 観測開始。空間固定のトランシット型。(赤羽賢司)
- 1953年
- 1954年
- 1955年
- 三鷹で 100MHz観測中止。
- 6月20日に鹿児島・豊川・三鷹で日食観測。(Hatanaka et al. 1955b)。
電波S成分(Slowly varing component)が可視光カルシウム羊斑(活動領域)から
のものであることを示した。
- 1956年
- 豊川で 1.5mアンテナを用いて 3.75GHz 偏波強度観測開始。
- 豊川で 1.2mアンテナを用いて 9.4GHz 偏波強度観測開始。
- 太陽電波バーストにシンクロトロン放射を適用するモデルを世界で初めて発表
(Takakura 1956)。
- 1957年
- 三鷹で 1.2mアンテナを用いて 9.5GHz 偏波強度観測開始。
- 三鷹で 八木アンテナを用いて 100MHz・67MHz 強度観測開始。
- 豊川で 3.0mアンテナを用いて 1.0GHz 偏波強度観測開始。
- 豊川で 2.2mアンテナを用いて 2.0GHz 偏波強度観測開始。
- 1958年
- 1959年
- 豊川で 1.2mアンテナ8基を用いて 9.4GHz 干渉計観測開始。
- 1960年
- 三鷹で 67MHz観測中止。
- 三鷹で 10mアンテナを用いて227MHz, 326MHz, 408MHz, 612MHz時分割式同時観測開始。
- 1962年
- 三鷹で 100MHz観測中止。
- 三鷹で 3GHz観測中止。
- 豊川で 9.4GHz 干渉計を、(1.2m 16基 + 3m 2基) の複合干渉計に増強。
- 豊川で 2mアンテナ2基による 2 -- 4 GHz動スペクトル計。
- S成分のマイクロ波スペクトル(Kakinuma & Swarup 1962)。ジャイロ共鳴放射
の導入。
- 1964年
- 1966年
- 1967年
- 1968年
- 三鷹で 0.3mアンテナを用いて 35GHz 観測開始。
- 野辺山太陽電波観測所が開所。
- 1969年
- 1970年
- 1971年
- 三鷹で 10mアンテナによる観測中止?。
- 宇宙科学研究所科学衛星「しんせい」打ち上げ。太陽電波も観測目標であった。
- 1972年
- 1974年
- 1975年
- 宇宙科学研究所科学衛星「たいよう」打ち上げ。太陽X線観測が目標であった。
- 1977年
- 1978年
- 1981年
- 1982年
- 野辺山宇宙電波観測所が開所。
太陽電波観測所とあわせて「NRO」に。
- 1983年
- 1984年
- 1988年
- 国立天文台発足。旧名古屋大学空電研と国立天文台との太陽電波部門が合流。
- 1989年
- 1991年
- 1992年
- 野辺山で 電波ヘリオグラフ(17GHz)観測開始。
- 野辺山で 17GHz 干渉計観測中止。
- 1994年
- 野辺山動スペクトル計観測中止。
- 豊川3.75GHz干渉計観測中止。
- 豊川9.4GHz干渉計観測中止。
- 豊川の強度偏波計群(1GHz・2GHz・9.4GHz)を野辺山に移設。
- 豊川3.75GHz強度偏波計観測中止。
- 1995年
参考文献
- 赤羽 賢司 1975 「日本の電波天文」, ITU研究, 58, 1
- Hatanaka, T.; Suzuki, S.; Tsuchiya, T. 1955a,
"Polarization of Solar Radio Bursts at 200 Mc/s, I",
PASJ, 7, 114
- Hatanaka, T.; Akabane, K.; Moriyama, F.; Tanaka, H.; Kakinuma, T. 1955b,
"Solar Radio Spot and Calcium Plage",
PASJ, 7, 161
- Suzuki, S. 1959,
"Multiphase Radio Interferometers for Locating the Sources of
the Solar Radio Emission",
PASJ, 11, 195
- Enome, S.; Kakinuma, T.; Tanaka, H. 1969,
"High-Resolution Observations of Solar Radio Bursts with Multi-Element
Compound Interferometers at 3.75 and 9.4 GHz",
Sol. Phys, 6, 428
- Kakinuma, T.; Yamashita, T.; Enome, S. 1969,
Proc. Res. Inst. Atmospherics, Nagoya Univ., 16
- Tanaka, H.; Castelli, J. P.; Covington, A. E.; Kruger, A.;
Landecker, T. L.; Tlamicha, A., 1973
"Absolute Calibration of Solar Radio Flux Density in the Microwave Region",
Sol. Phys, 29, 243
- Ishiguro, M.; Tanaka, H.; Enome, S.; Torii, C.; Tsukiji, Y.;
Kobayashi, S.; Yoshimi, N., 1975,
"8-cm radioheliograph",
Proc. Res. Inst. Atmospherics, Nagoya Univ., 22, 1
- Takakura, T. 1956,
"Polarized Bursts and Noise Storms of Solar Radio Emissio,n",
PASJ, 8, 182
- Kakinuma, T.; Swarup, G. 1962,
"A Model for the Sources of the Slowly Varying Component
of Microwave Solar Radiation",
ApJ, 136, 975
- Tsuchiya, Atsushi; Nagane, Kiyoshi 1967;
"Observation of the S-Component of the Solar Radio Emission
by an Eight Element Grating Interferometer at 17 Gc/s",
Sol. Phys, 1, 121