太陽フレア
常に地球上に恵みをもたらしてくれている太陽。
我々の目で直接見える光(可視光といいます)ではあまり
変化していないように見えますが、
実はさまざまな活動現象を起こしています。
太陽フレアもその一つで、太陽大気中に蓄えられた磁場のエネルギーを使って、数億度にも達する超高温プラズマや光速近くまで加速された粒子を爆発的に生成する、太陽活動でもっともパワフルな現象です。
軟X線でみたフレア
2000年6月7日 14:49 UT ようこう軟X線望遠鏡(宇宙科学研究所提供)
上の図は、太陽観測衛星「ようこう」に搭載された軟X線望遠鏡が撮影した太陽のX線画像です。X線では百万度以上のコロナと呼ばれる大気層を見ることができます。この図の中で、太陽の北半球にあるとんがり帽子のような構造が、太陽フレアによって生成された高温のプラズマ(数百万〜一千万度)です。
Hα線でみたフレア
次の白黒の絵は、Hα線と呼ばれる光で観測した太陽の部分像です。この画像のなかで白く光っている2本のすじが太陽フレアです。Hα線では彩層と呼ばれるコロナより下層で、数万度の大気層を見ることができます。この白く光る筋の上空に軟X線でみえるとんがり帽子の構造が並んでいます。
1972年8月7日(米ビッグベアー太陽天文台提供)
電波でみたフレア
1999年2月16日 2:57 UT 野辺山電波ヘリオグラフ(国立天文台)
上のカラーの図が、ここ野辺山の電波へリオグラフで撮影した、電波で見た太陽フレアです。電波では、高温のプラズマと光速近くまで加速された電子の両方を見ることができます。電波の画像によって、軟X線画像で見ることができるとんがり帽子の構造やループの中に、高温のプラズマや光速近くまで加速された電子が閉じ込められていることがわかります。
このように、いろいろな波長を使って観測すると、太陽フレアの違った側面を見ることができます。これらの観測データを基に、どうして太陽フレアが起きるのか?、
どうしたら太陽フレアの発生を予測できるのか?、等の研究が世界各国でさかんに行われています。
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