太陽活動のエネルギー源 -- 磁場
太陽大気での活動現象の源は磁場です。下の図はそれを模式的に
説明したものです。わたしたちの身近にある磁場というと、棒磁石
のそれがあります。棒磁石に砂鉄をまくとその周囲にスジ模様があらわれて、
棒磁石のN極とS極とを結んでいます(上段左図と中図)。
これらのスジが磁力線を示しており、太陽の表面もちょうど似たような
状況になっています(上段右図)。太陽面上では、黒点が、この棒磁石の
N極やS極なのです。下段の2枚は実際の太陽の観測なのですが、
そのうち左図は、太陽の表面での磁極のようすを特殊な方法で画像化したものです。
黒がS極、白がN極でそれぞれが黒点に対応しています。その上空のようすを
紫外線で撮像すると右図のようにふたつの磁極を結ぶ磁力線のようすが
よくわかります。
(画像提供: 米国NASA・Montana州立大学 "Yohkoh Public Outreach Project"・T. Metcalf博士)
この磁力線自身実はエネルギーをもっています。棒磁石ぐらいの
磁場のエネルギーを熱に変えることがもしできたならば(普通は
無理ですが)水1ccの温度を千分の1度ぐらいは上昇することができます。
これではたいしたことがないように思えますが、太陽表面での
黒点のサイズは約10000kmほどもあり地球がすっぽりおさまってしまう
ぐらい大きく、そのエネルギー量も莫大なものになります。実際、
フレアの際に消費される磁場のエネルギーは、最大級のものになると
10メガトン水爆1億個分にもなります。
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