電波で見た、金星の太陽面通過
2004/06/08 初版
2004/06/21 ムービー改定
野辺山太陽電波観測所
・ 金星の太陽面通過とは? (国立天文台・三鷹のページへ)
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当日の野辺山の天気は?
ご覧のとおり、雲が厚くかかり、時折激しい雨が降る天気でした。
肉眼では、とても太陽を見ることができない天気です。
・
でも、電波では・・・
このように、太陽にきれいな金星の影が写っているのを観測することができました。
左下の黒い点が、金星の影です。
画面下に書かれている時間は世界標準時ですので、日本時間になおすには9時間
足して14時50分03秒となります。
太陽から発せられた光(可視光*)は大気中の雲によって遮られ、曇りの日に太陽を
見ることができません。しかし、太陽が放射する電波(マイクロ波:17GHz)にとっ
て雲は透明なので、このように雲がある天気でも、鮮明に太陽を観測することがで
きます。
*可視光:我々が目で見ることができる光
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電波で見た金星の太陽面通過(ムービー)
n
太陽全面のムービー
(時間分解能が2分あたり1枚のムービーです。 再生には、Windows
Media Playerが必要です。)
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ムービー(大) (GIF Movie
1.81MB)
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ムービー(小) (GIF
Movie 639KB)
(時間分解能が10分あたり1枚のムービーです。)
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金星の太陽面通過と同時に起きた、プロミネンス(紅炎)放出現象
太陽全面のムービーを見ると、太陽の左の淵から何か吹き出ている様子が見えると
思います。これはプロミネンス(紅炎)放出現象と呼ばれるものです。
上の図は、このプロミネンス放出現象の部分を拡大した連続写真です。
この現象は、太陽コロナと呼ばれる高温(100万度以上)の大気に浮かんでいる、
雲のような比較的低温(1万度程度)の物質が宇宙へ放出される現象です。この物
質が地球方向へ向かってきて、地球の磁気圏とぶつかると、磁気嵐やオーロラを発
生することもあります。