図5のチャート図にそって解釈する。 物理量が得られるのは、「光学的に薄いシンクロトロン放射」か 「光学的に薄い熱制動放射」である。 Dulk (1985) の近似モデルにもとづいて放射領域の物理量と放射との 対応関係を求めることができる。
「光学的に薄いシンクロトロン放射」であれば
非熱電子のべき指数がわかる。
ここでは電子の分布関数が以下のようなものであると
仮定している。
「光学的に薄い熱制動放射」であれば
コロナ磁場の視線方向成分強度がわかる。
図5のチャート図で「光学的に薄い熱制動放射」
であることがわかったらあとは偏波率から
たとえば図4については以下のように解釈できる。まず、 付近の強偏波源は「ジャイロ共鳴放射」であると予想される。 可視光マグネトグラムを使って黒点の有無を調べることでこれを確認できる。 つぎに の等高線(太線)をみると それよりも明るくてな個所が「光学的に薄いシンクロトロン放射」であると 解釈できる。ここのからがすぐ計算できて ループ状の構造の両端が真中よりも非熱電子のべき指数が「軟かい」ことがわかる。 つぎに の領域であるが このうち 付近は なので 「光学的に薄いシンクロトロン放射」か 「光学的に薄い熱制動放射」か区別がつかない。 もし軟X線でこの個所が明るければおそらく「熱制動放射」でそうでなければ 「シンクロトロン」であると予想される。前者であればコロナ磁場の視線方向成分強度 が偏波率からもとめられる。それ以外の個所はなので光学的に 厚い放射で物理量の情報はえられない。